この度の東日本大震災で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
『頑張って下さい!』と口にするのは簡単ですが、今、毎日を懸命に生き延び原発に怯えながらも復興に向け戦っている方々の心に追い打ちをかけるようで、正直言って、適切なお見舞いの言葉も励ましの言葉もみつかりません。
東日本がというより、これは国難であり、今こそ日本の力、人としての力が試されているのだと胆に銘じています。
震災時、佐世保で「市民100人ミュージカル」と銘打った「佐世ぼん」のリハーサル中でした。スタッフは音響の山本浩一さん、美術の中村公一さん始め皆東京からアルカス佐世保近くのホテルに滞在し、明日は初日と張り切っているところでした。
そのニュースは、当日、佐世保入りのスタッフからもたらされました。稽古中のことでもあり、皆、冷静に対処していましたが、深夜ホテルで見た被災地の映像に皆一様に衝撃を受けました。
九州新幹線の全線開通を祝うイベントは中止になりましたが、主催者と話し合った結果「佐世ぼん」は上演することになりました。
60才前後の18人の同窓生が、昭和34年にタイムスリップし、躍動する命、人と人とのつながりを目の当たりにし、自身の人生を再び見つめ直す大人の為のファンタジーで、出演者の佐世保市民に当てて書いたオリジナルの本でした。
開演前に、お客様とともに黙祷を捧げ、4歳から78歳の100人の出演者のエネルギーが、舞台を感動の成功へと導きました。
5年前の「佐世保ブギウギ」と同じスタッフに支えられ、日本一面白い、クオリティの高い市民ミュージカルになったと自負しております。そして、何よりも、私を含めスタッフ全員が、大きなエネルギーを貰い、東京へ戻ってからの活力になりました。
アルカス佐世保の館長、関係者の皆様、地元の先生方、佐世保市民の皆様、一年間お世話になりました。改めてお礼を申し上げます。
皆さんの懸命に努力する姿に感動いたしました。
「明日への活力」と「笑い」をテーマに長年創作活動をしておりますが、被災者の方々の衣食住が少しでも落ち着かれたら、中村ジャパンのメンバーと共に、パフォーマンスと体操教室の出前を考えております。
私達にできる心ばかりのお見舞いですが、先ずは東京近郊の避難所の責任者の方、被災者を受け入れている自治体、企業の関係者の方々、照明も使いませんし、場所によって演目も変えられるので、是非ご連絡下さい。
エンターテインメントで、お腹は一杯になりませんが、心は満たされると信じています。
中村JAPAN D C主宰 中村龍史
オフィスひらめ代表 中村留美子